看板の掛け替えで商店街が活性化する!?
久しぶりの帰省。といっても、自宅から実家まで一時間もかからない距離だから、その気になればいつでも帰れるのだけれど、ついつい間遠になりがち。
電車を乗り継ぎ実家の最寄り駅に降り立ったのは約一年ぶりのことでした。駅舎を出てターミナルから続く商店街を歩いていると、ふと、いつもと違う感じがしました。行き交う人々も、パン屋さんも、文房具屋さんも、惣菜屋さんも皆同じなのだけれど、どことなく何かが違う。子どものころから通いなれている商店街だから、ほとんどが見知ったお店です。店主のおばさんや通いの店員さんたちとも互いに顔を覚えていて、目が合えば会釈したりもします。
どこか判然としないまま、手土産にお酒を買っていこうと酒屋さんの前で立ち止まり、何とはなしに見上げると、きれいな看板がかかっていました。以前は、たしか古びた看板だったはず。ビールをかごに入れてレジに置き、そのことを話すと、店主のおじさんは嬉しそうに肯きました。訊けば、最初にパン屋さんが看板を取り換えて評判が良いものだったから、組合の商店が揃って看板を掛け替えたのだそうです。
酒屋さんを出て商店街を振り返ると、なるほど、ほとんどのお店が看板を新調していました。色とりどりで形もそれぞれに違うのだけれど、見渡すと統一感がある。電飾はLEDで内部から照らしているから眩しすぎず温かみのあるものになっています。のぼり幡も設置場所を決めているのか、通行の邪魔にならないよう整然と並んでいました。
記憶との印象の違いは、これだけではなかったのかもしれません。
よく見れば学生や子ども連れのお母さん、お年寄り、様々な年代の人がいて、全体に賑わいのある気がします。各お店にとっては出費だったかもしれませんが、最近は看板もインターネットで注文できる時代、格安の品物も探せば見つかるはずです。看板を掛け替えて商店街が活性化する、それだけで、とも思いますが、まずはできるところから始めたらきっと変化は起きます。活性化の様子を確かめに、これからは帰省の頻度をもう少し高めようかと思っています。